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私とジャンル

音楽のお話。少々ながいのですが。

自身が組んでいるユニットでイベントをやるときに私が書いている【都市の民族音楽と私】を配らせていただいてます。今回はしばらくイベントお休みしているのでこちらに。

私自身、音楽活動を続ける上で必ずと言って良いほど初対面の方に聞かれる事が「波子さんのジャンルは何ですか?どのようなものですか?」と言うものです。これに関してはいつも頭を悩ませます。それは、大変申し訳ないながら何のジャンルも突き詰めて来たわけではないからです。

私が奏でるか奏でないかは別として、ジャンルは私にとって心揺さぶられるものと言う一点のみです。

ジャズであろうが、ブルースであろうが、沖縄民謡、ウポポ、イヌイットの歌声であろうが、ガムラン、クラシックに歌謡曲、フォークに演歌にしゃんそん、現代音楽、ソウル、アイリッシュ、パンクにロック、各地の民謡…etc.

その時いつも自分に必要な?求めている?音楽が自ずと私に寄り添ってくれました。そして見えない景色や歴史や人々の色々な思いや、世の中への叫びや、生命の音を鳴らしてくれるのです。少々抽象的な言い方になってしまいますが、縁やタイミングなのかなと思っています。

話はそれるかもしれないのですが、現代音楽家の武満徹さんと人類学者の川田順造さんの往復書簡が1冊の本となっている岩波書店の「音・ことば・人間」の中、興味深かったのがアフリカのモシ族の話で、彼らには楽器と言うものが存在しながら音楽と言うものを示す単語が無いと言うことなのです。ではその楽器や歌声としての表現は?と言うと非常に面白くて、人間にとっての伝わる音「コエガ」(メッセージ性のあるもの)、「ブーレ」(人間にとっての雑音)、に別れるそうです。つまり、人間にとって、個人にとって、意味を持つ音はコエガ、その逆で届かぬ言葉や音はブーレなのです。

つまり、先ほど言ったようなモシ族の太鼓を例にとっても、届かぬ音はブーレ、人の心を揺さぶるものはコエガ、そして人々はその届いた太鼓の音を「太鼓のうた」と表現するのです。これらが彼らにとっての音楽なのです。

長くなりましたが、私の人生において流に身をまかせたり、踏ん張ったり、立ち止まったりしている中で、コエガとして私に辿り着いた沢山の音が私自身を作り、そして世界を見せてくれます。そして沢山の出会いを連れて来てくれました。

だから、私は自分が奏でる楽器を通じて私の歌をうたって生きたいと思います。それが自身のジャンルであり、その精神は変わることなく進化していくのだと思っています。

これからの人生、コエガとして受け止める事の出来る心を持って進んで行けたならと。

この東京と言う街に鳴り響く沢山の都市の民族音楽。それは沢山のコエガとブーレが混ざり合い多種多様なメッセージとして皆のところへ響いていると思うと、何だかそれはとても夢がある事だなぁと思います。

あなたにとっての忘れられないコエガは何でしょうか?

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